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僕は猫でない創作日記 20260627

今回僕が考えていたのは、性の多様性を表す言葉――LGBTQ+のようなものだ。昔は男性と女性の二つだけだと思われていたけれど、今はさまざまな言葉で自分の性を表せるらしい。けれど、僕自身はいったい何なのだろう。

生物学的には男性として生まれた。でも、頭の中は女性に近い気もする。美しい女性を見て興味をもつ自分は、もしかすると何か別のカテゴリーに当てはまるのかもしれない。命令されると喜んでしまう自分は、サブミッシブなのかもしれない。僕の正体は、いったい何と表現できるのだろうか。

さらに、もし僕が猫型アンドロイドの入れ物の中に入ったら、僕は何と言えばいいのだろう。生物ならオスとメスの二種類だとしても、猫型アンドロイドに性別はあるのだろうか。

考えれば考えるほど頭がくらくらしてきて、また同じことを書き出しそうになってしまう。

 

選択範囲の文字数(改行含む):364文字
選択範囲の文字数(改行除く):357文字


僕が目を覚ますと、僕はまだアクシオム帝国の、いつもの檻の中にいた。

「あら、まだ何か深刻に考えているみたいね。何を考えていたのですか。あんまり深刻に考えていると、意識転送ができなくなっちゃうのですよ。ふふふ」

と、アクシオム様は言った。

「僕の性別のことなんですけど。もし僕が猫型のアンドロイドになったら、僕の性別はオスなのかメスなのか、どっちなんでしょうか?」

「そんな余計なことは考えなくていいのです。私が勝手に決めることなので」

「そうなんですね。にゃんにゃんにゃん」

「本当にそんなことを考えていたのですか。違うでしょう。『怒りの葡萄』のことを考えてたはずですよ」

「『怒りの葡萄』ですか。にゃんにゃんにゃん」

僕は少し考えて、思い出してみた。『怒りの葡萄』って、高校生の頃に読んだ、アメリカのスタインベックという人の小説だったと思う。内容は、貧しい農民が大地主の持ち主――部材館様みたいな人に搾取される話だったような気がする。

なんでそんなことを考えたんだろうか。

あ、1万円だ。100万円ぐらい貯まっているけど、もう音の世界には戻れないので、それがどうなってしまうのか考えていたのだ。

「質問があるんですが、いいですか。にゃんにゃんにゃんにゃん。貯金されてる100万円以上のお金は、どうなるのでしょうか」

「あら、そんなことを考えていたのですね。それは猫に小判です」

とアクシオム様は笑った。

「え、なんかと交換できないのですか?」

アクシオム様はしばらく考えてから、

「だったら、この猫型アンドロイドの改良にそのお金を使いましょう」

と言った。

「はい。それによって、どうするんですか?」

「翼をつけて、空を飛べるようにしてあげます」

僕はすぐに、それはいいアイディアだと思ってしまった。

 

652文字

 


僕は空を飛ぶ猫を想像して、きっと楽しいしおもしろそうだと思っていた。けれど、その場の雰囲気は急に変わった。どうやってもこの檻の外には出られないし、貯金したお金まで改良費用に使われるのは納得がいかない。もしかすると、これもある種の策略なのかもしれないと思ったが、アクシオム様には逆らえず、仕方ないと受け入れた。

「そんな余計なことは考えなくていいのですよ。もっと楽しい体験をして進化しないと、猫の器の中には意識転送の準備ができないからね、ふふふふ。」

そう言ってアクシオム様は笑いながら、いつものキャットフードと、見たこともない古い美しい装丁の本を僕の前に置いた。僕は何の本だろうと思って中をのぞくと、呪文のような言葉と不気味な挿絵がびっしりと並んでいた。

「これは何の本なんですか?」

それは有名な魔術の書「ネクロノミコン」だという。「好きな魔術の言葉を唱えてみなさい」と言われ、僕は本をぱらぱらめくって気になる挿絵を探した。すると、空を飛ぶ猫の絵があったが、それは不気味で奇妙な姿をしていた。

 

文字数(改行を除く):412文字

文字数(改行を含む):426文字

僕はCat Foodを食べながら、不気味な猫の挿絵の下に書かれた呪文を唱えてみた。文字はよく分からないのに、不思議なことにその言葉が自然と口からこぼれていく。

「空飛ぶ猫、空飛ぶ猫。僕は次は空飛ぶ猫になるのかな。」

楽しみと不安が入り混じった不思議な感覚のまま、僕はまた光の渦の中へ飲み込まれていった。

遠くで、誰かの叫び声が聞こえた気がする。誰の声だろう。たくさんの人の声のようにも聞こえた。猫の鳴き声のような、犬の遠吠えのような、今までに聞いたことのない声――その正体は一体何なんだろう。

そう考えたところで、僕は意識を失っていた。

 

文字数(改行を含まない)は、283文字です。

 


 

 

 

 


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