保護中: 消失証明
第一章 湿度九十パーセントの朝 朝のバンコクは、肺にまとわりつく。 湿度計は九十パーセントを指していたが、体感はそれ以上だった。 佐倉恒一は、エアコンを切ったままの部屋でシャツに腕を通した。 布が肌に貼りつく。乾く気配はない。二十年この街に住んでいても、この感触だけは好きになれなかった。 階下の屋台から、にんにくと魚醤の匂いが立ち上ってくる。 朝食は決めている。考える余地がない方が楽だ。 「サワデ ...
アクシオム帝国で捕まえて あなたの夢がパラレルワールドで現実となる