南国猫目十五犬伝 第一話「バンコクの消えた影」(前編)
南国猫目十五犬伝 第一話「バンコクの消えた影」(前編) タイ東北部、コーンケーン県の外れに、一軒の古い平屋がある。 トタン屋根に雨が当たると、盆地全体に音が広がる。庭には痩せたバナナの木が三本。隣には何も作っていない畑。道は舗装されておらず、雨季になるとバイクも沈む。郵便番号すら怪しい、そういう場所だ。 午前二時。 縁側に一匹の黒猫が座っていた。 体長は普通の猫より少し大きい。毛並みは闇 ...
YURIANA SYNTHESIS (ユリアナ・シンテシス)
思考は官能へと変換され、物語は進化の副産物となる