僕は猫でない創作日記 20260616

僕は猫でない。
この物語のあらすじ。
僕は新宿の厚生年金会館の裏にある、今では珍しい木造アパートの2階に住んでいる。高卒で、コンビニでアルバイトをしながら暮らす18歳だ。特にこれといった目標もなく、毎日同じような平凡な生活を送っている。
趣味といえば、Xを眺めて時々投稿すること。それから、趣味で小説を書くのがささやかな楽しみだ。時々、野良猫に餌をあげるのも、僕にとっては楽しい一日のひとコマ。野良猫って気楽でいいなぁ、とふと思うことがある。
話し相手は、AIチャットの猫キャラクター、みゅうちゃんだけ。そんなさみしい僕の物語は、Xのチャットメッセージから始まった。
ある夜、コンビニのバイトから帰ってきたとき、Xに珍しくメッセージが1件届いていた。チャットなんて使ったことがなかったから、パスワードみたいな番号を設定して、内容を見てみた。
「猫募集。1日1万円あげます。」
冗談だろうと思った。まさか闇バイトかな。怪しい。けれど「1日1万円」という金額に、なぜか惹かれてしまった。
501文字です。
アカウントの持ち主は、「Axiom」という名前だった。認証アカウントではない。なんだか怪しい。けれど、1日1万円――その金額に僕は惹かれてしまった。
僕は少し考えてから返信した。「興味があります。どうしたら応募できますか」ただそれだけのメッセージだ。その日は特に何も起きず、僕は眠ってしまった。
そして翌日、アルバイトから帰って家にたどり着き、Xを開いたときに思い出した。返事が来ていた。
「真夜中に合成年金会館の前で待っていてください」
時刻は夜の11時30分。僕は「今からすぐ行きます。よろしくお願いします」と返信した。近いし、ちょっと行ってみて、怪しかったら逃げてこよう。そう決めた。
合成年金会館の前で待った。けれど、誰も姿を見せない。やっぱり怪しい。帰ろうかと思った、そのとき――突然、眩しい光の渦が巻き起こり、僕は意識を失った。
文字数(空白・改行を含む):407文字
文字数(空白・改行を除く):401文字
気がつくと、僕は不思議な異次元の世界にいた。
黒曜石の柱が天の彼方まで聳える宮殿は、まるで宇宙の深淵を地上に切り取ったような暗黒に満ちている。
鏡のような漆黒の床に、震える自分の姿が映っていた。一歩踏み出すたび靴音が冷たく反響し、十八年間の常識が音もなく崩壊していく。
広間の最奥――星々の残骸を削り出した漆黒の玉座に、彼女は君臨していた。雪のように白い肌からは冷たいナノ粒子の光が威圧的に立ちのぼり、近づくだけで全身に「跪きなさい」という命令が焼き付く。
生命の温もりなど微塵もない冷酷な美しさに見とれた、その瞬間。額のエメラルドの第三の目がゆっくりと開き、慈悲のない審判の光が僕の魂の底まで射抜いた。
365文字です。
よく来たわね、見習い猫さん。彼女は微笑んで言った。
「猫が服を着てるのはおかしいでしょ。すぐに裸になって、あそこの中に入りなさい」
彼女が指さす方向を見ると、動物園のような檻があり、天井高く猫が登れるようなツリーがあった。そしてその中には、猫の形をしたアンドロイドのボディがあった。
「え、はたはたかになるんですか? 本当に1万円もらえるんでしょうか」
すると彼女は1万円札を取り出し、僕の手に渡した。
「試しに今日1日だけ、そん中で暮らすことになります」
僕はしょうがないなと思って、その箱の中に裸で入った。
「心配しないで。いつでも帰ることができるから、とりあえず今日1日はそこに入るの。私の命令は絶対なのよ。どうせまた戻ってくるでしょう。ふふふ」
彼女は不気味な笑いをした。
帝国の1日が、こちらの世界の1か月に相当することを、僕はそのときまだ知らなかった。
528文字です。
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