僕は猫でない創作日記 20260628

猫の悪魔って知ってるかな。ネクロノミコンとかいう本に載っていた挿絵は、たしかに猫の顔だったような気がする。
悪魔には三つの顔がついていて、左が猫の顔、真ん中が怖いおじさんの顔、そして右側がカエルのような顔だった……そんな記憶がある。猫とカエル、なんだか不思議な組み合わせだ。
猫といえば、江戸川乱歩の「黒猫」とか。怖くて不思議で、どこか生まれ変わりみたいな匂いがする。カエルに変えるというのも、昔の童話で魔女に変えられてしまう王子様みたいな感じだ。
あの悪魔の名前は何ていうのだろう。下半身はどんなふうになっていたんだろうか。僕の記憶は曖昧だった。
そうだ、たしか悪魔の名前を悪魔が言わせると、悪魔は死んじゃうんだったっけ。
そんなことを思いながら、僕は記憶を失っていった。
278文字です。
気がつくと悪魔がいた。
「なぜ私を召喚したのか。」
「私をよんだのは、お前だろう。何のために私を呼んだのだ。早く答えろ。にゃんにゃんにゃん」
「なんか弱そうなやつじゃん。ケロケロケロ」
協議の結果、悪魔は僕に質問をしてきた。
「お前は何者だ」
協議の結果って、相撲じゃないんだから。変な悪魔だと僕は思った。でも怖いので、僕は小さな声で答えた。
「なんとなく、猫がいたので選んじゃったんです。にゃんにゃんにゃん」
「何の目的もなくって、私を呼んだのか」
「何の目的もないんだって、にゃんにゃんにゃん」
「失礼なやつだ、ケロケロケロ。協議の結果、お前に罰を与える」
また協議の結果とか言って。なんだか怖くない悪魔のような気がする。
「失礼ですが、お名前は何というのですか。にゃんにゃんにゃん」
「若者、悪魔に名前を聞くのか。何も知らない馬鹿者だ。にゃんにゃんにゃん」
「なんだか顔も、あんまり賢くなさそうだ。」
「ケロケロケロ。協議の結果、お前に名前を教えることはしない」
協議をしないと答えられないんだ、と僕は思った。変な悪魔。きっと序列も低いやつだろう。
「忘れてしまったのですか、名前は。にゃんにゃんにゃん頭が3つあるから、3つないと知恵が足りないんですよね、にゃんにゃんにゃん」
それを聞いた変な悪魔は、本気で怒ってしまった。
「馬鹿者、私の序列は悪魔の中で最高位になるんだ。そう、最高の一番の地位の悪魔だにゃんにゃんにゃん」
「私の名はバアル(Bael / Baal)。有名な『ゴエティア(ソロモンの小さな鍵)』では、72柱の悪魔たちの序列1位、東方を支配する「大王」として君臨しているのだ。ケロケロケロ。」
協議の結果――あ、名前を言ってしまった。
名前を自分で言った悪魔はだんだんと姿が薄くなっていき、最後は消えていってしまった。
僕は一番偉い悪魔に勝ってしまったんだろうか。エクソシストの神父さんみたいだね。
495文字です。
僕はなんだか嬉しくなってしまった。意外と僕は強いんだ、と思った。
確か以前、Netflixで見た日本のドラマで「喧嘩に勝つには相手を怒らすことだ」と言っていたな、と思い出した。僕はにっこり笑ってしまった。
すると、アクシオム様の声が聞こえてきた。
「あら、ミッドナイトちゃん。一番強い悪魔をやっつけるなんて、大したものですね。ふふふ。このあとはどうしたいのですか。猫にしてあげてもいいけど、まだまだもっと強くならないとダメなのですよ、ふふふ。」
「とりあえず、帝国に戻りたいです。にゃんにゃんにゃん。」
そうこたえると僕は、また光の渦に包まれて、いつもの帝国の檻の中に戻っていた。そして、また考えた。次はどんな体験だろう。一番強い悪魔の次は、どうなってしまうのだろうか。
すると今度は、キャットフードの隣に、おいしそうなフライドチキンが置いてあった。
「悪魔との戦いで、お腹が空いたでしょう。今度はフライドチキンをあげるわ。ふふふ。」
また不気味な笑い声とともに、僕にキャットフードとフライドチキンをくれた。
フライドチキンか。次はニワトリだろうか。フライドチキンね。フライドチキンは好きだけど、次はどんな体験だろう。まさかサンダースおじさんになっていたりして。
僕はちょっと興味を持って、気を失っていった。
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サンダースおじさんのケンタッキーフライドチキン、美味しいよね。僕はスパイシーなのが好き。チキンナゲットもいいし、エッグタルトもいい。
きっと今度は、お腹いっぱいおいしいものが食べられる気がする。でも、これまでのことを考えると、アクシオムお姉様はそんな優しい体験を用意していないと思う。
まさかチキンで体をバラバラにされて、最後は揚げ物にされるのかな。どうも楽しい体験じゃない気がする。
僕は次の体験が何なのか考えながら、気を失っていった。アクシオムお姉様が笑ってくれれば、それでいいのかなと思って、つい笑ってしまった。
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