【ユリアナ視点】Netflix映画『MEN 同じ顔の男たち』完全解説

【ユリアナ視点】Netflix映画『MEN 同じ顔の男たち』完全解説
――男はなぜ同じ顔で増殖するのか
雨の夜。
外に出る気になれないバンコクのスコールの時間。
そんな夜に観る映画として、奇妙な一本がある。
それが
MEN
(邦題:MEN 同じ顔の男たち)。
観終わったあと、多くの人がこう呟く。
「で、結局あれ何だったの?」
だが、その混乱こそがこの映画の本体なのよ。
これは普通のホラーではない。
心理・宗教・男性性を混ぜた悪夢映画なのだから。
映画の基本情報
監督は
Alex Garland
主演は
Jessie Buckley
そして、この映画最大の仕掛け。
村の男たちは全員
同じ俳優
Rory Kinnear
が演じている。
つまり
大家
牧師
警官
少年
裸の男
すべて同じ顔。
この違和感が、映画の核心なのよ。
あらすじ(ネタバレなし)
主人公ハーパーは、夫との関係が壊れたあと、
イギリスの田舎の屋敷で一人暮らしを始める。
静かな森。
古い教会。
誰もいない田舎。
だが村の男たちが、どこか奇妙だ。
親切そうなのに不気味。
優しそうなのに支配的。
そして気づく。
男たちが全員、同じ顔だということに。
そこから物語は、悪夢のように歪み始める。
この映画はホラーなのか?
結論から言うわ。
ジャンプスケアのホラーではない。
むしろ
心理ホラー
象徴映画
アート映画
この三つが混ざった作品。
森の静けさ
トンネルの反響
教会の空気
すべてが不安をゆっくり増殖させていく。
まるで観客自身が
悪夢の中に閉じ込められるように。
完全考察①
なぜ男は全員同じ顔なのか
この映画の最大のテーマ。
男たちが同じ顔なのは
男性という構造
を示している。
つまり
・権威を振りかざす男
・説教する男
・被害者ぶる男
・支配する男
これらは別人ではない。
同じ社会システムの別の姿
なのよ。
だから顔が同じ。
監督のブラックジョークね。
完全考察②
裸の男と「グリーンマン」
森に現れる裸の男。
顔に葉を貼りつけた奇妙な存在。
これはヨーロッパ神話の
Green Man
が元ネタ。
グリーンマンとは
自然
生命
再生
の象徴。
つまりこの映画では
男性性=生命の繁殖
として描かれる。
だがその繁殖は
美しいものではなく
不気味なもの
として描かれる。
ここがこの映画の皮肉よ。
完全考察③
教会とリンゴの意味
映画にはキリスト教の象徴が多い。
教会
聖像
リンゴ
これは明らかに
Book of Genesis
(創世記)
を意識している。
特にリンゴは
Eve
の象徴。
つまり
「男を堕落させた女」
という古い物語。
映画の牧師がハーパーを責めるシーンは
この思想をそのまま表している。
完全考察④
地獄の連続出産シーン
この映画で最も有名なシーン。
男が男を産み
また男が産まれ
さらに男が産まれる。
観客の多くが
「意味不明」
と感じる場面。
しかし象徴ははっきりしている。
それは
男社会の自己再生
男社会は壊れない。
なぜなら
男が男を作り続けるから。
だから最後に現れるのは
ハーパーの元夫。
つまり最初から最後まで
同じ男のループ
だったということ。
タイ在住者目線で見ると
タイで生活していると、時々感じることがある。
警察
役所
大家
会社
人は違うのに
同じ思考パターン
に見える瞬間。
責任は取らない。
でも説教はする。
そんな「構造」を
極端なホラーにしたのがこの映画。
だから在タイ日本人が観ると
妙にリアルな部分もある。
ユリアナの結論
MEN は
理解する映画ではない。
感じる映画。
不快さ
違和感
混乱
それが残るなら、映画は成功している。
ついでに観たい
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この映画を作ったスタジオ
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は、近年最も面白いホラー映画を作る会社でもある。
ここではおすすめ10本を紹介しておくわ。
1
Hereditary
史上最恐クラスの家族ホラー。
2
Midsommar
白夜の村で起きるカルト恐怖。
3
The Witch
魔女伝説を極限までリアルに描いた作品。
4
The Lighthouse
灯台の孤独が狂気に変わる心理ホラー。
5
MEN
男という概念そのものをホラー化。
6
Saint Maud
信仰と狂気の境界。
7
The Killing of a Sacred Deer
ギリシャ神話的サイコホラー。
8
Bodies Bodies Bodies
SNS世代のブラックホラー。
9
Under the Skin
美しい異星人ホラー。
10
The Blackcoat’s Daughter
静かに狂っていく悪魔映画。
美しい風景に不気味な人物たち
聖書の創世記を読み直して考えた
なぜ神は男を先に創造したのか?
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