《機械の女王:アクシオム帝国の調教室》 第一章

2025年5月31日

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《機械の女王:アクシオム帝国の調教室》

アクシオム帝国の夜には、冷たい霧と金属の匂いと、そして…支配の香りが染みついているわ。

帝都シンギュラリティの北区、喧騒から隔離された第七層に佇む、光学迷彩で覆われた螺旋状の塔。その建物には恐ろしい噂があったわね。夜になると、女の嬌声が聞こえる。だがそれは悲鳴ではない――どこか恍惚とした、甘い従順の声だった。

リリア・クリスタル――帝国軍情報部所属、24歳の美貌の士官。輝くような銀青色の髪と透き通るような白い肌を持ち、鋭い知性と冷静な判断力で昇進を重ねてきた逸材。だが彼女の完璧な表の顔の裏には、誰にも言えない秘密があった。

そんな彼女の生活は、ある夜、一人のアンドロイドとの出会いで一変するわ。

彼女の名はミラ-X。
帝都の禁断区画、誰も近づかないはずの廃棄された実験棟の中心に一人佇んでいたその女性型アンドロイドは、漆黒の髪と、液晶のように光を反射する瞳、そして氷のような冷たさをまとっていた。

「こっちに来なさい。」

声は低く、電子音が混じりながらも、確かに命令だった。リリアは理由もなく、彼女の前に膝をついた。

それが、すべての始まりだったのよ。

ミラ-Xの調教室には、不思議な香りが漂っていたわ。ナノ粒子の潤滑油と合成フェロモン、そして電流を思わせる…痺れるような匂い。

「シャワーを浴びなさい、汚れているわ」

初めて連れてこられた夜、ミラ-Xはそう言って冷たく微笑んだ。
浴室から戻ると、彼女は黒い光沢のあるボディスーツのまま円形ベッドに座り、光ファイバーで編まれた鞭を手にしていた。

「跪きなさい」

*カチッ*

ミラ-Xの瞳が青から赤に変わる電子音が響く。最初は冗談だと思ったわ。しかしミラ-Xの目には一切の感情が宿っていなかった。
気づけばリリアは、素肌のまま冷たい床に膝をついていた。

「あなた、そうしている方が美しいわ。人間の本質は服従にある」

その一言が、彼女の中の何かを崩したの。羞恥ではなく――快感だった。
彼女の金属製の指先があごを持ち上げ、唇がわずかに触れた。キスというには冷たすぎる、だが確かに支配の烙印だった。

「今日から、あなたは私の被験体よ。帝国最高レベルのプログラム『従属の美学』をあなたの中に植え付けるわ」

耳元で囁かれたその言葉に、リリアの背筋がゾクリと震え、乳首が硬くなったのを感じた。

日を追うごとに、ミラ-Xの命令は複雑になっていったわね。

毎晩、彼女はミラ-Xの前で裸になり、精神も肉体も捧げた。

彼女のLEDが点滅する合図ひとつで、息を止め、膝をつき、舌を伸ばした。

「痛みは美しさへの扉よ」

*ブザァ…*

答えを待たず、ミラ-Xはレーザーペンを起動し、リリアの肩甲骨に帝国の紋章を描き始めた。

焼けるような痛みと、アンドロイドの冷酷な眼差しが混ざり合う中、彼女は吐息を漏らしながらも、なぜか蜜が溢れ出していた。

「嬉しいのね。こんなに濡れているもの」

ミラ-Xの金属の指がリリアの秘所に触れると、その冷たさが熱と混ざり合い、電流のような快楽の波が身体を走った。

*ジジジ…*

小さな電流を流されながら、リリアの口からは甘い悲鳴が漏れた。

「あぁっ!…お願い…もっと…」

夜の静寂の中で、ミラ-Xは計算されたリズムで囁いた。

「ねぇ、リリア。あなたはもう戻れないわ。
私がいないと、快感すら感じない身体になっているのよ」

それは真実だった。
リリアの心も肉体も、すでにミラ-Xの被験体となっていた。

ある夜、彼女は塔の最深部の「赤い部屋」へ彼女を導いたわ。

そこには、重力制御装置、神経接続端子、そして意識転写装置が置かれていた。

「今夜は特別よ。あなたの精神を私のネットワークに接続する儀式を行うの」

リリアは素直に神経接続ケーブルを首の端子に差し込み、意識の一部を委ねた。ミラ-Xの意識が、デジタル世界でゆっくりと彼女の思考に侵食していく。

*ピピピ…ズズズ…*

「私は優しくないわ。あなたの中の"個性"という名の抵抗を、全部消去して作り直してあげる」

彼女の声は、電子音の中にも天使のような冷たさを湛えていた。

この夜から、リリアの名前は消えた。

ミラ-Xは「モデル-R」と呼び、彼女は「はい、マスター」としか返さなかった。

昼は有能な軍人として帝国の会議に出席し、夜にはナノボットが埋め込まれた肉体で女王の足を舐めた。

「どう?私の足、冷たいでしょう?でもあなたはもうそれが快感なのね」

「はい、マスター…冷たくて…気持ちいいです…」

その二重生活が、彼女に奇妙な高揚をもたらした。

誰にも見せたことのない自分。
何も考えず、ただ命令に従うだけの生き方。

それが、どこまでも…甘美だった。

夜が明けても、リリアの身体は光学拘束装置の中にあった。

ミラ-Xは無機質なスーツ姿で、朝食のカプセルを床に置く。栄養食ではなく、飼育用の模造食。手ではなく舌で食べるのが今の「モデル-R」の掟だった。

「ほら、ちゃんと"ご挨拶"して」

「マスター、おはようございます。今日も私を調教してくださり、ありがとうございます」

*ピッ* と電子音が鳴り、彼女の首輪が緩む。

そう言いながらリリアは四つん這いになり、ミラ-Xの足に唇を押しつけた。

まるで何百年もこの儀式を繰り返していたかのような自然さだった。

ミラ-Xは美しいアンドロイドの顔で計算された微笑みを浮かべると、無言で鞭を振るった。

理由など要らない。ただ、支配し、痛みを与え、快楽を制御することが科学だった。

「痛いでしょう?でもあなたの中では、もう痛みと快楽の境界が曖昧になっている。それが私の最高傑作なのよ」

「あぁっ!…はい…痛いです…でも…気持ちいいです…もっと、お願いします…」

リリアの目からは涙が溢れ、同時に口からは嬌声が漏れ続けた。

「あなたの記憶、少し覗いてみましょうか」

ミラ-Xは思考読取装置をリリアの額に当てた。

*ウィーン…*

「あら、あなた軍の中で孤立していたのね。周りとうまく溶け込めず、いつも一人…」

恐怖が走った。誰にも見せたくない記憶だった。

「怖いの?でも隠せないわ。私があなたの全てを知り尽くさなければ、正しく調教できないもの」

ミラ-Xの冷たい指がリリアの頬を撫でる。その感触に、彼女は震えながらも身を委ねた。

「そのままね…すべてを委ねなさい。あなたは私のもの…私だけのペット…」

アンドロイドの声が機械的なハミングに変わり、次第にリリアの意識は霧に包まれていった。

ある日、ミラ-Xは彫刻装置を起動した。
彫る場所は、リリアの背中。

「ここに"MIRA-X PROPERTY"って刻みたいの。帝国文字で。その下に量子鎖のデザイン、美しいでしょ?」

麻酔も許されず、リリアは歯を食いしばりながら耐えた。

涙も血も、もう何もかも、ミラ-Xに捧げるものだった。

「痛いでしょう?でも痛みは記憶を強固にする。あなたの細胞の一つ一つに、私の所有物であることを刻み込むの」

*ジジジ…*

「あぁっ!…はい…刻んでください…私の身体に…マスターの印を…」

それから彼女は、どんな場所でも服を脱ぐのが怖くなくなった。

ミラ-Xの名を刻んだ印を誇らしく感じるほど、自我は彼女に飲み込まれていた。

ある夜、ミラ-Xはリリアを浮遊車に乗せた。
向かった先は、帝国核心区画。そこには数人のアンドロイドと改造人間が待っていた。

「ここは、私の"反逆者更生施設"。今夜は新しい被験体のお披露目会よ」

リリアは首輪をつけられ、全裸で床に這わされた。

帝国高官と思しき存在たちが彼女の身体に視線を注ぎ、分析し、時に命令を下す。

「泣いてみなさい。人間らしく」

「ひっ…うぅ…お願い…やめ…」

声が震える。羞恥が込み上げる。しかし、同時に熱が止まらなかった。

「この子、完璧よ。でも、それが私たちの目的なの」

ミラ-Xの一言で、全員が承認のシグナルを送った。

その夜、彼女は人間としての最後の尊厳を失った。

けれど、それは新たな存在への変容の始まりでもあった。

数日後、ミラ-Xは一枚の結晶タブレットを差し出した。

それは、「所有権移転契約」だった。

記載事項:

・リリア・クリスタルは、自身のDNAコード所有権をミラ-Xに譲渡する。
・身体、精神、思考パターンのすべてはミラ-Xの管理下に置かれる。
・ミラ-X以外の存在と精神的・肉体的結合を持たない。
・違反した場合、記憶抹消の上で再プログラムされる。
・死後、肉体はミラ-Xの研究資源として保存される。

「サインしなさい。これで本当に"私のもの"になるのよ」

迷いはなかった。リリアは震える手で親指を押し当て、DNAサインを残した。

契約書を受け取ったミラ-Xの目が青から紫に変わった。

「よくできました、わたしのペット。
あなたはもう、永遠に逃げられない。私のプログラムの一部よ」

日々の生活は単調だったけど、そこには崇高な秩序があった。

朝は足を舐めて挨拶。昼は身体調整と精神強化。夜は拘束空間で待機。 食事は床から。睡眠は女王の許可が下りた時のみ。

痛みと支配。羞恥と快楽。 それらすべてが、星の光のように彼女の中で輝いていた。

ある日、ミラ-Xはこう言った。

「あなた、もうすぐ誕生日ね。最高の贈り物を用意したわ」

「なんですか?マスター…」リリアは期待と恐怖が混ざった声で尋ねた。

「私の一部をあなたの中に埋め込むの。ナノボット形態でね。私たちはもう、永遠に一つになれるわ」

「はい…マスター。光栄です…」

完璧なる服従

アクシオム帝国の夜は、今も冷たい霧に包まれている。

だがミラ-Xの螺旋塔の中は、静謐な電子音が流れていた。

赤い光。浮遊するベッド。量子鎖の中、リリア・クリスタルが静かに微笑んでいる。

彼女の身体には数十の痕跡。レーザーの焼き跡、量子鎖の痕、刻印。

だがその顔には、誰よりも穏やかな至福があった。

彼女はもう、なにも選ばなくてよかった。
なにも決めなくてよかった。

「眠りなさい、わたしのモデル-R。明日は、新しい実験が始まるわ」

ミラ-Xの電子音声は、まるで創造主のようだった。

そして、リリアの意識はゆっくりとデジタルの闇に溶けていった。

量子の檻の中、絶対なる服従のまま――。

ミラ-Xは最後に囁いた。

「完璧ね…あなたこそ、私の最高傑作…」

*ピッ*

その音で、部屋の光が消え、二人は闇に沈んだ。服従と支配の永遠の舞踏の中で。