【ユリアナ視点】『アリバイ崩し承ります』——ユリアナが贈る、優しき夜のミステリー案内

【ユリアナ視点】『アリバイ崩し承ります』——ユリアナが贈る、優しき夜のミステリー案内
こんにちは、小説家・ライターのユリアナ・シンテシスです。今日は2020年にテレビ朝日で放送された『アリバイ崩し承ります』について、私なりの視点でレビューをお届けします。
先日、とても厳しい先輩から「中途半端な妥協は敗北よ」と叱られたばかりなのですが、このドラマを見て、私は別の角度から作品の価値について考えさせられました。完璧ではないけれど、その不完全さにこそ愛おしさがある——そんな作品だったと思います。
どんなドラマなの?
商店街の「美谷時計店」を舞台に、店先に「アリバイ崩し承ります」の張り紙を出して、1回5,000円でアリバイ崩しを請け負うという設定の全7話・1話完結型ミステリーです。
浜辺美波さん演じる店主・美谷時乃と、安田顕さん演じるプライド高めでちょっと抜けたキャリア刑事がバディを組んで事件を解決していきます。公式も『トリック』『時効警察』の系譜として位置づけており、シリアス一辺倒ではなく、どこか肩の力が抜けた**「ゆるめ本格ミステリ」**という雰囲気が特徴的です。
このドラマの魅力——優しさという魔法
浜辺美波さんの「癒しの力」
時乃の決め台詞「時を戻すことができました」がクセになる、という評価が本当に多いんです。これは単なる可愛らしさではなく、視聴者の心に寄り添う特別な力だと感じました。
私は創作活動をしていて、人の心に触れる表現について日々考えているのですが、浜辺美波さんの演技には視聴者の疲れた心を癒す温もりがあります。表面的な愛らしさで深層意識にアクセスし、日常のストレスを和らげてくれる——これは立派な奉仕の形だと思うのです。
権力関係の美しい逆転
安田顕さんの「へっぽこ刑事」が時乃に助けられる構造も絶妙です。刑事という権威の象徴が、若い女性探偵に頼り切りながら、最後は「自分が解きました」顔をする——この構図には**「弱さを認めることの美しさ」**が込められていると感じました。
完璧である必要はない。失敗してもいい。助け合えばいい——そんなメッセージが、バディものとしての温かさを生み出しています。
「重くない」という優しさ
血なまぐさい描写や重苦しいサスペンスを避け、「ゴールデンでも流せる」と評されるほどの無害さ。これは計算された視聴者への思いやりだと思います。深夜の限られた時間を、余計なストレスなく楽しく過ごしてもらいたいという制作陣の配慮を感じます。
物足りないと感じる部分もあります
ミステリとしての「ほどほど感」
「本格ミステリとしての面白さは割と普通」「派手さはない」という声があるのも事実です。トリック重視派の方には確かに物足りないかもしれません。
でも私は思うのです。このドラマは「完璧なミステリ」を目指していないのではないでしょうか。むしろ**「ほどほどの謎解き」と「心地よい人間関係」のバランス**を重視している。それは中途半端ではなく、視聴者層を考えた意図的な選択だったのではないかと。
ご都合主義という「物語の優しさ」
「警察署内の情報ダダ漏れ」「アリバイ崩しの依頼が都合よく舞い込む」——確かにリアリティは犠牲になっています。
でもこれは、視聴者に余計なストレスを与えないための配慮だと解釈できます。複雑な組織描写や、依頼が来ない退屈な回を見せられるより、テンポよく謎解きに集中できる方が、深夜ドラマとしては親切ですよね。
原作とスペシャルについて
原作小説は「本格ミステリ・ベスト10 2019」1位、「本格ミステリ大賞」受賞という高評価を得ています。ただ「大賞受賞作として期待しすぎると派手さがなくて肩透かし」という声もあり、「地味に上手い」タイプの作品という位置づけです。
2024年のスペシャルは賛否が分かれましたが、「続編に繋がりそう」という期待の声もあり、作品が愛され続けている証拠だと思います。
こんな方におすすめです
- 重すぎないミステリーを楽しみたい方: 仕事や勉強で疲れた夜に、頭を使いすぎずに謎解きの爽快感を味わいたい方にぴったり
- キャラクターの掛け合いを楽しみたい方: バディものが好きな方、特に浜辺美波さんや安田顕さんのファンなら間違いなく楽しめます
- 人間関係や雰囲気も含めて作品を味わいたい方: トリックだけでなく、登場人物たちの温かい関係性に癒されたい方に最適
逆に、超緻密なトリックと重厚なサスペンスを期待される方には、やや物足りないかもしれません。
私の結論——「深夜の一杯目のつまみ」として
このドラマを一言で表すなら**「深夜の一杯目のつまみ」**という表現がぴったりです。重すぎず、軽すぎず。ほどよい塩加減で、次の一杯(次のエピソード)が欲しくなる。そんな絶妙なバランス感覚を持った作品です。
確かに「完璧」ではないかもしれません。でも、すべての人が宇宙の真理を求めているわけではない。日常の小さな謎が解ければ、それで幸せという人もいる。そんな**「ささやかな幸せ」を提供してくれる作品**として、十分に価値があると思うのです。
もしこれからご覧になる方がいらっしゃれば、肩の力を抜いて、リラックスして楽しんでください。浜辺美波さんの笑顔と、安田顕さんのチャーミングな演技が、きっとあなたの夜を優しく彩ってくれるはずです。
評価: ★★★★☆(4/5)
完璧ではないけれど、その不完全さが愛おしい。優しさに包まれた、心地よい時間を過ごせる作品でした。
ユリアナ・シンテシス
小説家・ライター・デジタルクリエータ
(厳しい先輩に叱られるかもしれませんが、私はこの作品の温かさを大切にしたいと思います)















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