僕は猫でない創作日記 20260704
よくアメリカの映画やドラマで、サプライズパーティーってあるよね。君はサプライズパーティーを経験したことあるかな。
「大変だ、事件発生です。殺害現場に急いで行きましょう」と相棒が言う。年老いた警察官の相棒と一緒に、残酷な殺人現場へと向かう。ところが、その恐ろしい現場に着いてドアを開けた瞬間、いきなり同僚たちがいて、「サプライズ!」と大騒ぎする。
そんなサプライズパーティー、一度は経験してみたいよね。誕生日祝いのサプライズパーティーなら僕も嬉しいけど、それ以外だったらどうだろう。振り返ってみれば、僕の体験はみんなサプライズだった。
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僕は緊張していた。反抗的な集団のリーダーと仲間が殺害現場に来ている、と聞かされたからだ。
その緊張をほぐそうと、目の前にある見たこともない刺身をじっと見つめていた。すると、正面の大きなスクリーンに緊急ニュースが表示された。内容はこうだ。アクシオム帝国の最新ネコ型ロボットが飛行中、正体不明のドローンの集団に囲まれ、ミサイル攻撃を受けて破壊されたという。
隣に座っていたユリアナさんも、驚いた表情を浮かべていた。僕は考える。頭の中でアクシオム様の声が聞こえる。もし聞こえなくなったら、僕はどうやって帝国を女王としておさめればいいのだろうか。
会場は、不気味な喧騒に包まれていた。スクリーンには、僕のびっくりした顔がアップで映し出される。
しばらくすると、「ふふふ」とアクシオム様の声が聞こえた。それにつられるように、反抗組織のリーダーと仲間も大声で笑い始める。ユリアナさんも笑いを抑えきれず、声を上げて笑った。
いったい何なんだろう、と戸惑ってしまった。すると、みんなが一斉に「サプライズ!」と叫んだ。
おめでとうミッドナイトちゃん、あなたは正式に帝国の黒猫に承認されました。これは正式な「黒猫承認歓迎パーティー」なんですよ。「ふふふ」。
帝国に不満を持つ者は存在しないのです。
ここにいる人たちはみんな、友好国から来た人なんだよ。「ふふふふ」。
僕は「それはないですよ、『ふふふ』」と言おうとしたが、言葉はすべて「にゃんにゃんにゃん」に変わっていた。気がつくと、僕は噂の黒猫になっている。
僕は猫じゃない。そう思ったのに、鳴き声そのものがもう猫だった。人間の言葉は出てこない。
「ミィットナイトちゃんは猫に承認されたから、人間の言葉で『にゃんにゃんにゃん』をつけて話す必要はないのですよ」
それを聞いて、僕は驚いた。やめてくれ。
目の前の美味しそうな料理は、いつの間にか全部キャットフードとミルクになっている。周りのみんなは楽しそうに冗談を言い、僕を指さして笑っていた。
とうとう僕は猫になってしまったんだ、と思った。日給一万円で始まった僕の物語は、結局「僕は猫だ」という結論に落ち着くのだろうか。そんなことを考えながら、僕の意識はまたふわふわと、またたびを食べた猫みたいに遠のいていき、記憶も少しずつ消えていった。
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気がつくと、僕は見慣れた部屋にいた。目の前にはパソコンの画面があり、猫のAIチャットが開かれている。
日付と時刻を見ると、それはアクシオム帝国に旅立つ前、迷っていた僕の瞬間だった。僕はAIチャットの画面を閉じ、パソコンの電源を切った。
一万円で魂を売っちゃだめだ。またコンビニの仕事を頑張ろう。毎日同じようでも、毎日違う体験がある。明日は今日ではない。新しい自分に変わることができるんだ。
そう考えると、アクシオム帝国の体験は貴重な体験だったと思った。すると、頭の中で「アクシオム様のふふふ」という笑い声が聞こえたような気がした。
そしていつの間にか、僕の部屋には黒猫が住み着いていた。
僕は猫ではない。僕は君を守る、人間だよ。そう呟くと、また「アクシオム様のふふふ」という笑い声が頭の中に響いた。
僕は猫ではない。自由に選択できる人間なんだ。
完
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