僕は猫でない創作日記 20260620

僕はふと考えた。以前見た映画で、人類のほとんどがいなくなり、最後の1人になった主人公が、パートナーとして犬と暮らすストーリーがあったのを思い出した。

もしパートナーが猫だったら、どんなストーリーになるんだろう。猫だったら、主人公がゾンビみたいな怪物たちに襲われても、「関係ないよ」と言ってどこかへ行ってしまいそうな気がする。これが猫だもんね。

だとしたら、アクシオム様はなんで僕を犬にしないのだろうか。なんだか不思議な気がしてきた。

君がもし誰かにプレゼントをするとき、きっと何かを期待しているように、帝国で猫になるというのも、アクシオム様から僕へのプレゼントなのかもしれない。だとしたら、いったい何を期待しているのだろう。

いろんな体験を僕にさせて、それを見て楽しんでいるのかな。それとも、他に本当の理由があるのかな。

選択範囲の文字数(改行を除く):362文字
選択範囲の文字数(改行を含む):370文字


僕が目を覚ますと、驚いたことに、猫の形をしたアンドロイドのミッドナイトが動き始めた。

にゃんと鳴いて僕のほうに向かってきて、膝の上にぴょんと飛び乗る。え、な、なんで動くのだろう。まだ意識転送もしてないのに。

そして、ミッドナイトの入れ物はゴロゴロと喉の音を鳴らした。

僕はびっくりしたけれど、その入れ物の頭をなでなでしてあげた。すると、また喜んで、にゃんにゃんにゃんと鳴いた。

猫の入れ物の瞳を見つめると、アクシオム様の笑い声が聞こえてきた。

「びっくりしたでしょ。今、中身は私が入っているのですよ。びっくりさせるのが好きなので」

僕はその声を聞いて、さらにびっくりしてしまった。

「びっくりしたようね。それでは、さらにもっといろんな体験をさせてあげましょう。ふふふ。」

僕はまた、光の渦の中に巻き込まれて気を失ってしまった。

 

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気がつくと、僕は洞窟の中にいた。そんなに深くない、小さな洞窟だ。入口も見える。

驚いたことに、その入口から、赤く大きな瞳がこちらをのぞき込んでいた。恐怖をまとったその視線が、洞窟の奥にいる僕をじっと見据えている。

僕は一体、何なんだろう。そしてここはどこで、なぜこんな大きな瞳に見つめられているのだろう――。

そう考えた瞬間、その瞳の主が、今までに聞いたこともないほど恐ろしい叫び声を上げた。まさか恐竜? 僕を食べようとしているのかな。逃げることができない。洞窟の入口を、爪で引っかく音がする。

なんで僕は、こんなところにいるのだろうか。

その時、またあの声が聞こえた。

「ふふふふ、怖いでしょう。帝国の猫ちゃんと、T-Rexに食べられるのと、どっちがいいのでしょうか?」

大きな瞳はT-Rexって、あの最強の肉食恐竜のことですか。にゃんにゃんにゃん。

「それがもちろん、帝国の猫ちゃんのほうがいいです。にゃんにゃんにゃん」

こんな状況で語尾に「にゃんにゃん」をつけるなんて、自分でもおかしいと思った。でも帝国のルールなので仕方がない。

「それじゃ、帰ってきたいのですね。決心はついたのでしょうか」

「とりあえず……帝国に帰って、考えさせてください」

アクシオム様は「ふふふ」と笑い、僕は再び光の渦の中に巻き込まれた。

 

文字数(改行含まず):542
文字数(改行含む):554


帝国に戻ると、猫のアンドロイドの入れ物は止まったままで、僕の目の前にアクシオム様がまた現れた。

「もう猫の中にいるのはやめたんですか?」
「あれはテストをしていただけ。ふふふ。ところでまた、にゃんにゃんにゃんをつけるのを忘れたわね」

「すいません。とても怖い体験だったので」
「ああ、そうでしょう。今回だけは許してあげましょう」

そう言うと、アクシオム様は僕の目の前に特製キャットフードを置いてくれた。僕は食べる前に聞いてみた。

「次はどんな体験が待っているのでしょうか。にゃんにゃんにゃん」
「それは秘密です。楽しみにしていてね。いろんな体験が、あなたを進化させるのですよ」

「なんで僕は犬ではなく猫になるのでしょうか」
「これも秘密です。いろんな体験をしてみれば、やがて分かるでしょう」

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