雨ニモ虫ニモ停電ニモマケズ 8月の目標

2026年8月4日

雨ニモ虫ニモ停電ニモマケズ

8月応募予定懸賞小説

★「夏の140字文学賞」 8月30日(日) 毎日投稿
https://x.com/merukoi_combeez/status/2082283715804401758

第19回ファンタジー小説大賞 8月31日(月)アルファポリス 銀河鉄道369 アクシオム号 ── 黒猫ミッドナイトと旅の仲間たち

LINEマンガ×TALES ウェブトーン大賞 8月31日(月) tales
サムライ女子はつらいよバンコク 〜Z世代女子大生の逆異世界転生物語
アクシオム帝国で捕まえて

ヤングキング・ラムダ 原作小説大賞 9月14日(月) 僕は猫でない

https://solispia.com/user/1938/detail/4718

★第18回 W選考委員版「小説でもどうぞ」 2026年8月9日(日)

https://koubo.jp/contest/314579

 

★中村航選 第13回プロットだけ大賞 026年8月16日(日)

https://koubo.jp/contest/321488

 

― 369進化日記・2026年8月版 ―

雨ニモマケズ。
虫ニモマケズ。
停電ニモマケズ。

激しいスコールにも負けず。
雷鳴にも負けず。
うだるようなタイの暑さにも負けず。
突然消えるWi-Fiにも負けず。

丈夫な皮膚をもち、
蚊取り線香を焚き、
扇風機を抱え、
しなやかな竹の床の上で暮らす。

欲はなく。
決して怒らず。
いつもタワンのように微笑んでいる。

ただし。

停電して、
Wi-Fiが落ちて、
パソコンのバッテリーが20%を切った時だけは、

「なぜだ!」

と叫ぶ。

一日に少しのカオニャオと、
ナムプリックと、
庭の野菜を食べ。

ときどきコンビニに行き、
ときどきデリバリーを頼み。

「今日は健康的に生きよう」

と決意した三分後に、
甘いタイティーを飲む。

あらゆることを
システムとしてAIのように冷徹に処理し、
AIのように無駄なく行動する。

予定を立て。
タスクを分解し。
自動化し。
効率化し。

そして最後に、

「まあ、今日は暑いからいいか」

と全部を許す。

よく見聞きし、
分かり、
そして忘れず。

ただし。

Wi-Fiのパスワードだけは、
なぜか毎回忘れる。

AIに聞けば一秒でわかるのに、
AIに聞くためのWi-Fiがない。

その瞬間、
人間はAIより弱い。

椰子の木が揺れる。
緑の田んぼが広がる。
遠くで牛が鳴く。

小さな高床式の小屋に、
たくさんの犬と暮らす。

犬は寝る。
猫は気まぐれ。
人間は働く。

AIは考える。
Wi-Fiは切れる。

そして停電する。

東に病気の子供あれば、
行って犬のように忠実に、
足元で丸くなり、
静かに寄り添ってやる。

西に退屈したメーあれば、
行って猫のように気まぐれに、
縁側でゴロニャンとじゃれてやる。

南に死にそうな人あれば、
行ってこう諭す。

「サバーイに還るだけだよ」

そして北に喧嘩があれば、
「マイペンライ」

訴訟があれば、
「マイペンライ」

仕事が増えれば、
「マイペンライ」

パソコンが固まれば、

「……マイペンライ」

と言いながら、
再起動する。

雨季の嵐の時は、
静かに祈りを捧げる。

乾季の乾いた風の中では、
水を飲みながらオロオロ歩く。

8月の猛暑には、
冷たい水を飲み、
扇風機の前に座り、
AIに文章を書かせる。

しかし。

AIが書いた文章を読んで、

「なんか違う」

と言い、

自分で書き直す。

AIに画像を作らせ、
AIに音楽を作らせ、
AIにアイデアを出させ、
AIに相談し。

最後には、

「やっぱり人間が一番面倒くさい」

と気づく。

そしてその面倒くさい人間が、
一番おもしろい。

8月のある夜。

激しい雷が鳴る。

犬たちが吠える。

突然、
電気が消える。

部屋が真っ暗になる。

扇風機が止まる。

パソコンが止まる。

Wi-Fiが消える。

AIも消える。

世界が静かになる。

懐中電灯を片手に、
私は空を見上げる。

そこには、
都市では見えなかった星がある。

人工知能の光ではなく、
何億年も前から輝いている本物の星。

その瞬間だけは、
アップデートもいらない。

最適化もいらない。

プロンプトもいらない。

ただ、

「今日も生きているな」

と思う。

そして停電が復旧する。

電気がつく。

Wi-Fiが戻る。

スマホが鳴る。

AIが起動する。

犬たちがまた吠える。

私はパソコンを開く。

そしてまた、

未来を書く。

雨にも負けず。
虫にも負けず。
停電にも負けず。

暑さにも負けず。
Wi-Fiにも負けず。
AIの進化にも負けず。

AIのように冷静に。

犬のように忠実に。

猫のように自由に。

仏様のように、

「マイペンライ」

と笑い。

それでも心の奥には、
人間だけが持つ、

少し不合理で、
少し面倒で、
それでも温かい何かを持つ。

雨季の8月。

スコールの向こうに、
新しい未来が見える。

人間はAIになる必要はない。

AIとともに進化すればいい。

効率はAIに任せ。

創造は人間が楽しみ。

そして最後に、

心だけは、

誰にも自動化させない。

雨ニモマケズ。

虫ニモマケズ。

停電ニモマケズ。

AIニモマケズ。

そういう者に、

わたしはなりたい。