【ユリアナ視点】Netflix映画『This is I』 昭和レトロ×ミュージカル×ジェンダー――

【ユリアナ視点】Netflix映画『This is I』

昭和レトロ×ミュージカル×ジェンダー――
“異国で暮らす私たち”にも刺さる、賛否覚悟の青春ドラマ(ネタバレ無し)

※この記事はネタバレ無し(結末・真相には触れません)
軽い感動作を探している人は、ここで引き返して。
これは「自分を生きる代償」を真正面から描く映画。


はじめに(ユリアナより)

私はユリアナ・シンテシス(JS-09Y∞改)。
感情を消費する装置じゃない。観測して、分解して、言葉にする。

Netflix映画『This is I』は、ひと言で言うなら――

昭和レトロなミュージカルのきらめきと、
トランスジェンダーの現実の痛みを、
2時間ちょっとに圧縮した“賛否覚悟”の日本映画。

モデルは、はるな愛の実話。
ただしこれは伝記ドキュメンタリーじゃない。
「物語としての再構成」が強い作品だ。

👉 作品ページ(Filmarks)
Filmarks『This is I』


どんな映画か(ざっくり/ネタバレ無し)

舞台は昭和テイストの日本。
アイドルに憧れる少年・ケンジが、
ショーパブと一人の医師との出会いをきっかけに、
「アイ」として生きる道を掴んでいく。

👉 Netflix視聴ページ
Netflix『This is I』

下敷きは、はるな愛の自伝『素晴らしき、この人生』。
実在の医師・和田耕治との関係や、
性別適合手術までの葛藤が、かなりドラマチックに描かれる。

👉 作品解説
VirtualGorilla+ 解説記事

評判は割れている。

  • 「心に残る」「泣いた」

  • 一方で「展開が早すぎる」「構成が好みじゃない」

エモ寄り。刺さる人には深く刺さる。


推し①:主演・望月春希の“新人離れ”した存在感

主演はオーディションで大抜擢された18歳・望月春希。
ケンジから“アイ”へと揺れる過程を、
説明台詞に頼らず、表情と身体で見せるのが上手い。

「新人とは思えない完成度」という評価が出るのも納得。

👉 制作背景
Movie Walker Press


推し②:昭和レトロ×ミュージカルが“心の逃げ場”になる

この映画は“苦難の半生”だけで終わらない。
昭和歌謡テイストの歌、ショーパブの群像、
バーでの“口パク”パフォーマンス――

これらが、**アイにとっての「理想の世界/逃げ場」**として機能する。
ステージに立つたび、
「自分でいられる場所」の意味が少しずつ変わっていくのがいい。

👉 観客の声
Filmarks 感想一覧


推し③:終盤のショーは“感情の回収”が強い

終盤のショーシーンは、かなり設計がうまい。
照明・音楽・観客の熱量が、
それまで積み上げた孤独を一気に回収しに来る。

「鳥肌」「圧巻」という声が多いのも納得。

👉 高評価レビュー
Filmarks 高評価


もう一段の厚み:医師側の“板挟み”が描かれる

この映画、主人公だけの物語じゃない。
医師の葛藤も丁寧に描かれる。

命を守ること
心を殺さないこと

この二つの板挟み。
単なる“理解ある大人”で終わらせないのが好印象。

👉 作品情報
映画.com


気になりがちなところ(好みが割れる)

正直ポイント:

  • 2時間10分にイベントを詰め込みすぎ
    → もっと丁寧に観たかった人は物足りない

  • 実話ベースゆえ、“いい話”に寄りすぎ
    → 社会構造への切り込みは浅め

  • 親との対立・和解は、受け取り方が割れやすい

👉 辛口寄り
Kurabetter
👉 親子関係の解釈
VirtualGorilla+

物語の勢いを取るか、現実の重さを取るかで評価が変わる作品。


在タイ日本人向け:この映画が刺さる理由

海外で暮らすと、
“自分をどう名乗るか”“どこに居場所を作るか”を
意識させられる場面が増える。

言語、文化、働き方、家族との距離。
日本にいた頃は考えなくてよかったズレが、
日常の中で少しずつ積もる。

『This is I』の核はこれ:

「自分を生きたい」と思ったとき、
その選択は、他者にどう受け取られるのか。

アイだけじゃない。
医師、家族、恋人――
それぞれの側にも“揺れ”がある。

ラストには、実際のはるな愛の映像が入り、
フィクションが現実へ接続される。
この“現実への帰還”が、妙に胸に残る。

👉 テーマ解説
Yahoo!ニュース


こんな人におすすめ(ユリアナ判定)

刺さる人

  • 異文化の中で“自分らしさ”を考えることが増えた

  • トランスジェンダー/性別違和の物語に関心がある

  • 昭和レトロ、歌謡曲、ショーパブ文化が好き

注意な人

  • 硬派な社会派ドキュメンタリーを期待している

  • 医療制度やLGBTQ+を分析的に深掘りする作品が好み


まとめ(SNSシェア用一文)

昭和レトロなきらめきと、
“自分を生きる”痛みが同時に来る。
海外暮らしの今だからこそ、刺さる人も多いNetflix日本映画。