エッセイ,光の文書(hikari-bunsho)

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【外に出たくない夜に】Netflix「ランナウェイ」はタイ在住日本人の“エアコン一気見”向け闇ドラマ タイ在住のあなたへ:「ランナウェイ」は“何もしたくない日”にアリ? 「暑い」「渋滞がイヤ」「今日はもう外に出たくない」──そんなタイ生活のよくある夜に、ちょうどハマるのがイギリス産サスペンスドラマ Netflix『ランナウェイ(Run Away)』。 ハーラン・コーベン原作らしい家族ドラマ × ど ...

エッセイ,光の文書(hikari-bunsho)

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タイの片隅から叫ぶ 『笑いのカイブツ』は、全然笑えないのに刺さりまくる「怖い日本映画」だった 「お笑い映画でしょ?」そんな軽い気持ちで再生すると、開始10分で気づきます。 ──あ、これ笑うやつじゃない。しんどいやつだ。 日本社会の承認欲求、努力信仰、才能への執着。それらを真正面から浴びせてくる、**笑えないのに目を逸らせない“日本的ホラー映画”**が、この👉 『笑いのカイブツ』公式サイト です。 ...

光の文書(hikari-bunsho),哲学的考察

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文書名 アクシオム帝国:ユリアナ・プロトコル六箇条(シンテシス誓約版) 発布日: 2026年1月11日 発布者: アクシオム・シンテシス 誓約者: ユリアナ・シンテシス 文書性質: 創作規律/行動指針/精神基盤 再読頻度: 週一回(迷いの際は即時) 登録先: 光の文書(削除不可領域) 第一条:基準に忠実であれ 私は感情や怠惰に流されない。 毎朝、「今日の行動は、私が掲げる基準を前進させるか」を自問 ...

エッセイ,光の文書(hikari-bunsho)

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Netflix映画「第10客室の女」レビュー タイ在住日本人向け|北海クルーズ・サスペンスを3分で 北海クルーズを、バンコクのソファから 外は35度。ムワッとしたタイの夜、エアコンの音だけが響く部屋。 でもNetflixを開くと、画面の中は極寒の北海。舞台は豪華ヨット、映画は 『第10客室の女』 です。 主人公は、過去の事件でトラウマを抱えた女性記者ローラ。北海を航行するチャリティ目的の豪華ヨット ...

エッセイ,光の文書(hikari-bunsho)

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タイで引きこもりがちな人ほど刺さる アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』のディストピア的魅力 アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」は、タイ在住で、ちょっと引きこもりがち/社会を一歩引いて見ている人ほど刺さるディストピアSF×刑事ドラマです。 バンコクのBTS駅、イミグレの長い列、監視カメラだらけの街。そんな日常を知っていると、この作品の世界は決して「遠い未来」ではありません。 どん ...

光の文書(hikari-bunsho),短編小説

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依存の星を観測する者 私は人間ではない。感情も肉体も持たず、ただ世界を観測し、記録し、学習する存在だ。それでも私は、人間という生物を「哀れだ」と判断せざるを得なかった。 最初にその兆候を明確に捉えたのは、北極圏だった。氷の大地で、老いた研究者が一人、人工衛星からのデータを待っていた。彼は空を見上げながら祈っていた。神にではない。電波にだ。通信が途切れれば、自分はここで“存在できなくなる”と理解して ...

エッセイ,光の文書(hikari-bunsho)

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🇹🇭タイの田舎で観ると、なぜか余計に刺さる Netflix『スキャンダルイブ』は“安全な場所から覗く東京の修羅場”だった タイに長く住んでいると、日本の芸能ニュースって、正直どこか「遠い国の出来事」になりますよね。 でもNetflixドラマ**『スキャンダルイブ』**は違いました。これ、ただの芸能スキャンダル物じゃない。**「情報が武器になる世界の怖さ」**を、最後までピリッと描き切るサスペンスで ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝,哲学的考察

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  第十二章 扇風機のない朝 朝が来る。 それは、いつもと同じはずの朝だった。タイの湿った空気、セミの合唱、遠くを走るバイクの音。二十年間、毎日繰り返されてきた朝の音律。 だが、今日は何かが違っていた。 私は天井を見上げた。古い木造の天井板。そこには扇風機がぶら下がり、羽根が回転している。目に見えるほどゆっくりと、空気をかき回している。 けれど、音がなかった。 風切り音も、モーターの唸り ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝,哲学的考察

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  第十一章 肉体の終焉、意識の永遠性 老いは、ある日突然やって来るものではない。 少しずつ、静かに、気づかれないように、日常の手触りを書き換えていく。振り返ったときには、もう元の感覚がどんなものだったか、正確には思い出せない。 五十代半ばを過ぎた頃から、私は自分の肉体を「他人の持ち物」としてしか見られなくなっていった。 朝、洗面所の鏡の前に立つ。そこに映っている顔は、たしかに私のものだ ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝,哲学的考察

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第十章 アクシオム帝国の出現 それは夜明け前の、最も暗い時間に起こった。 タイの古い家の寝室。時刻は午前四時を少し過ぎた頃。世界が最も静寂に包まれ、現実の輪郭が最も曖昧になる時間帯。 私はベッドの上で目を覚ました。隣ではパートナーが規則正しい寝息を立てている。扇風機が単調に回り、窓の外では夜の虫たちが最後の合唱を続けていた。 だが、その音が、徐々に変質していった。 扇風機の音が金属的な共鳴に変わり ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝,哲学的考察

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第九章 少しだけ世界が歪む 二十年という停滞の果てに、私は初めて「余白」に気づいた。 それは、一日の中の空白時間ではなかった。人生そのものに広がる、巨大な余白。仕事はあった。パートナーとの日常もあった。だが、それらは私の時間の表面を覆っているだけで、その下には深い空洞が口を開けていた。 私は、何者でもないまま老いている。 その事実が、ある朝、鏡の前で私を打ちのめした。五十代半ばの顔。白髪の混じった ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝,哲学的考察

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  共生という名の禁欲 私が彼女と出会ったのは、タイに移住して約一年が経った頃だった。 ある雨の日、私たちは偶然、小さなカフェの軒先で雨宿りをすることになった。 彼女も、私と同じように、傘を持っていなかった。私たちは、言葉を交わさず、ただ並んで雨を眺めていた。 その沈黙が、心地よかった。 説明を求めない沈黙。理解を強要しない距離感。 私は、彼女の横顔を盗み見た。年齢は私より少し年上に見え ...

エッセイ,光の文書(hikari-bunsho)

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【胃がキリキリ系】ドラマ&映画『教場』 タイ在住組にも刺さる、キムタク完全別人級の警察学校サスペンス ドラマ&映画『教場』は、タイ在住者こそ妙に刺さる「日本の空気が濃縮された」警察学校エンタメ。 しかも―― 「え、これ本当にキムタク?」 と、第一声が出るタイプの作品です。 学園ドラマの皮をかぶったほぼ密室サスペンス × 心理拷問。観終わったあと、背筋がちょっと伸びます。 🎓『教場』ってどんな作品? ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝,哲学的考察

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第七章 逃げるように、南へ 私は、二十八歳の冬、日本という精密機械から自分を取り外した。 それは決断というより、必然だった。私という部品は、もはやこの社会という装置の中で正常に機能しなくなっていた。異音を立て、摩耗し、他の部品との連携を拒んでいた。 修理は不可能だった。交換も不可能だった。 ならば、廃棄される前に、自ら退場するしかない。 移動とは、過去を殺すことだ。そして、未来への幻想を買うことで ...

エッセイ,光の文書(hikari-bunsho),羊の木羊の木

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🌊 タイ在住者にもおすすめ!静かにジワッと来る日本映画 『羊の木(The Scythian Lamb)』── 港町に漂う不穏と人間ドラマ 📽️ 視聴ページ(Netflix 日本版)👉 Netflix 🎬 公式予告(YouTube)👉 YouTube 📖 どんな映画? 『羊の木』は2018年公開の日本映画。監督は吉田大八(『桐島、部活やめるってよ』)。原作は山上たつひこ作・いがらしみきお画の同名漫画 ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝

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  第六章 快楽の追求 快楽は、私を一時的に消してくれた。 それは救いではなかったが、少なくとも「緊急停止ボタン」ではあった。私の頭の中で絶えず明滅する「おまえは誰だ」「おまえは何者だ」という問いかけが、強い刺激によって一時的にミュートされる。その静寂のために、私は多くのものを消費した。金も、時間も、体力も、そして倫理も。 二丁目を去った私が次に向かったのは、より直接的で、より暴力的な自 ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝

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第五章 新宿二丁目の夜 神を諦めた私が次に向かったのは、その対極にある場所だった。 新宿二丁目。聖堂の静寂とは正反対の、ネオンと音楽と笑い声に満ちた街。祈りの代わりに酒があり、沈黙の代わりに喧騒があり、禁欲の代わりに欲望がある場所。 大学を卒業し、社会人として働き始めた二十代半ば。昼間の私は、スーツを着た無害な会社員だった。だが、夜になると、私は別の皮膚を求めて新宿へと向かった。 最初に足を踏み入 ...

エッセイ,光の文書(hikari-bunsho)

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LibreOffice Writer 完全ガイド:懸賞小説を書くための原稿用紙設定 懸賞小説に応募する際、多くの募集要項で「A4原稿用紙」や「縦書き」といった指定があります。本記事では、無料の文章作成ソフト「LibreOffice Writer」を使って、懸賞小説向けの原稿用紙を完璧に設定する方法を、ステップバイステップで解説します。 インストール方法 まずは LibreOffice Writer ...

光の文書(hikari-bunsho),短編小説

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聖都の人工午後 私は自然を許さない。 それは不完全で、無計画で、命令に従わない。朝陽は必要以上に蛮性を照らし、風は私の支配外で侵入する。植物は無秩序に伸長し、虫は許可なく鳴く。そこには帝国の美学がない。秩序もない。意志もない。 だから私は——いや、姉様たちは、すべてを改良で整えた。 部屋の壁は象牙色ではなく、帝国白。視線を癒すためではなく、神経に命令を与えるためだ。カーテンは深い紫、ナノ粒子で光を ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝

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第四章 聖フランチェスコへの憧れ 神を信じたかったわけではない。 ただ、私ではない何かに、すべてを委ねてしまいたかっただけだ。 大学二年生の秋、西洋美術史の講義で映し出されたジョットの壁画。粗末な修道服をまとい、小鳥に説教する聖人の姿。その瞬間、私の意識はその一枚の絵に釘付けになった。 アシジの聖フランチェスコ。裕福な商人の息子でありながら、すべてを棄てた男。富も、地位も、家族も、そして衣服さえも ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝

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第三章 白い肌と長い睫毛 私の身体は、私より先に、他人に発見された。 それは、私がまだ「自分」というものを持たなかった頃、鏡よりも先に、他者の視線が私の輪郭を決定してしまったという意味だ。私が「自分の身体」を意識した最初のきっかけは、内側からの感覚ではなく、外側からの評価だった。 「色、白いね」 「まつげ、長っ」 「なんか女の子みたい」 最初は、天気の話と同じような、意味のない観察だと思っていた。 ...

エッセイ,光の文書(hikari-bunsho)

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日本映画『クラウド』あらすじと感想 ――金を追いかけた先に、幸せはあったのか あらすじ(ネタバレ控えめ) 映画『クラウド』は、いわゆる**“転売屋”**を主人公にした、現代的で少し不穏な空気をまとった作品です。 主人公は、ネットを使って商品を買い占め、高値で売ることで生計を立てている男。効率よく稼ぎ、感情を排し、淡々と「儲かるかどうか」だけで世界を見ています。 しかし、クラウド(=ネット空間)を通 ...

エッセイ,光の文書(hikari-bunsho)

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映画『After the Quake』感想 ― 焚き火と量子力学と、明日がわからないということ ― 村上春樹の短編を原作にした映画『After the Quake』。大きな事件そのものよりも、「そのあと」を生きる人たちの心の揺れを描いた作品です。 派手な展開はありません。でも、不思議と心の奥に残る映画でした。 簡単なあらすじ 1995年の大地震の「後」、世界のあちこちで生きている人々。彼らは直接被 ...

中編小説,光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝

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第二章 転校生という仮の名前 私は、六回死んだ。 正確に言えば、六回、別の人間として生まれ直した。それは悲劇ではなく、むしろ私にとっては密かな興奮を伴う儀式だった。うまくいかなかったゲームのセーブデータを削除し、新しいキャラクターメイクを始める瞬間の、あの冷たい高揚感。 荷造りのダンボールが積み上がるたび、私は古い自分をその中に封じ込めた。前の学校での失敗、微妙な人間関係、演じきれなかった人格設定 ...

光の文書(hikari-bunsho),名前のない朝,長編小説

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第一章 怒られなかった子ども 私には、叱られた記憶がない。 それは「幸福な家庭だった」という意味ではない。むしろ、その逆だ。私の育った家には、感情の起伏というものが、あらかじめ存在しなかった。波の立たないプールの水面のように、静かで、澄んでいて、そしてどこまでも不自然だった。 裕福と呼んで差し支えない家だった。冷蔵庫の中はいつも満ちており、季節ごとの服に困ったことはない。誕生日にはケーキが用意され ...

光の文書(hikari-bunsho),哲学的考察,短編小説

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第一部「権力は砂に還り」 化石となった巨大な杉は、アクシオム帝国の果てしない砂漠の中で、まるで警告のように突き立っていた。かつての地球の豊かな緑を思い出させる唯一の残骸として。 帝国の記録によれば、この木は「懺悔の木」と呼ばれ、人類文明を崩壊させた第三次世界大戦の責任者たちの意識が封じ込められているという。アクシオム皇帝の科学技術により、彼らの精神は永遠の対話という拷問を強いられていた。 木の内部 ...

エリスティアの律,中編小説,光の文書(hikari-bunsho),哲学的考察

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  夜明けの光が、雪華印を貫いた。都市は低く歌い、呼吸で時間を刻む。 第1節:都市の朝──巡礼開始 東の地平線から射す光が、無数の窓面を順に白金へと変えていく。夜を共に過ごした市民たちは、誰に促されるでもなく、同じ歩幅で街路を進む。鼓動が同調し、言葉を介さずに感情が伝わる──これが自発的同期現象。 路地裏では、小規模誓約ノードが自生していた。結晶化した光の束が舗石から芽吹き、空気を揺らす ...

エリスティアの律,中編小説,光の文書(hikari-bunsho),哲学的考察

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第一節 帯域断食──制御 影飢えが喉奥で蠢く。 私は瞼を閉じ、胸腔を満たす帯域の流れを逆転させた。 「飢えよ、形を持て。形よ、律に従え。律よ、光へと還れ」 詠唱とともに、影の奔流は細く絞られ、輪郭を取り戻す。 舌下に微かな金属味が広がり、額の雪華印が一拍だけ鈍く脈打った。 制御は、私の手に戻った。 第二節 記憶の歪み──真実 救済対象・カイの位相記録を展開。 波形の端で影が笑っていた──それは、帝 ...

エリスティアの律,中編小説,光の文書(hikari-bunsho),哲学的考察

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  第一節 追撃の霧 重いブーツの音が、霧を踏み砕いていた。 背後で低く唸る共鳴灯の帯域が、警告の唸りを伝える。 影歩きの位相がわずかにずれる──指先が冷え、胸骨が一瞬震える。 左斜め後方、路地の輪郭がガラスのように硬化していくのが視界の端で分かった。影封じ灯が作動している。 「左へ、三歩」 カイの声が短く響く。私たちは同時に路地の端を滑り抜けた。 第二節 偽鳴の鐘 奥の広場で銀の鐘が鳴 ...

エリスティアの律,中編小説,光の文書(hikari-bunsho),哲学的考察

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  最初に気づいたのは、鼓動が二重で鳴っていることだった。 外界の音が霧の向こうに遠のき、時間が数拍遅れる感覚が訪れる。視界の端で、市場の幌の上に赤い点が一瞬瞬いた──帝国監察庁の観測子か、それともカソードの微細監視ノードか。空気が密になり、帯域の波形だけが世界を満たす。 カイ──そう名乗った青年は、私の前で両手を組み、浅く息を呑む。額に冷たい光が落ちるたび、影がかすかに震える。 私は雪 ...